前回で「無線ルータ」+「コンバータ」という組み合わせの接続設定が確認できましたので一旦完了です。ワンルームマンションであれば無線ルータ1台で済むはずですが複数の部屋があるとどうしてもこういった組み合わせが出てくるでしょうし、今回は一番ありそうなパターンだったと思います。さらに1軒家だと「リピータ」や「PLC」導入というケースもあるはずなのでその組み合わせは正に家の数だけあるといっても良いでしょう。

それでは今回は無線ルータのもう一つの機能である「デバイスサーバ」に関して検証してみます。デバイスサーバに関しては以前コレガ製の製品で試した事がありますが、あの機能が内臓されていると考えて下さい。コレガ製はWLNUP04Nという製品でUSBポートを4ポート持っていましたが、WH300AN/DGRは1ポートしかありません。ですがUSBハブを接続する事で公称4デバイスまで扱えます。

そもそもこのデバイスサーバと言うのはプリンタサーバ等で有名なSilex社が開発した製品で他社はそのOEMを受けている形です。その背景にはプリンタが単品から多機能の複合型プリンタに変化した事を受けて開発されたのでしょう。単なるプリンタ印刷であれば従来の「プリンタサーバ」でも良いのですが「スキャナ機能」は使えません。そこで同社が考えたのがデバイスサーバです。

利用手順としてはクライアントPCにユーティリティを導入して仮想USBデバイスを作ります。後はその仮想USBデバイスにデバイスサーバが持つUSB機器を占有させる事で実現しています。これだとプリンタベンダが用意するUSB接続用デバイスドライバ(ユーティリティ含)をそのまま使えるので開発コストが余りかかりません。面倒なのはUSBデバイスが「共有」ではなく「占有」なので、都度に接続・解除をしなくてはならない点です。ですがコンシュマベースではその頻度は多くありませんし、こういった方法でも何とかなるはずです。

但しプリンタが無線LAN機能を搭載するようになって、このデバイスサーバ方式は急に廃れてきました。デバイスサーバ経由で無くても印刷やスキャンができるので存在意義が小さくなったのです。ですからこのデバイスサーバは本当に古いUSB接続プリンタを使ったりUSB-HDDを短期間使ったりという補助的な役割になっています。下はそのユーティリティのインストール画面です。先に述べたようにデバイスサーバはクライアントから要求を受けて各マシンの仮想USBデバイスに自分に接続されたUSBデバイスを占有させます。

ユーティリティですが結局はSilex社OEMです。

その作業指示を行なうのがこのユーティリティです。ですからこのユーティリティが用意されていないOSはデバイスサーバの恩恵には預かれません。現在用意されているのはWindowsとMacだけなのでLinuxといったOSからは扱えません。ユーティリティをインストールしている最中に一人で使うかどうかを聞いてきますが、これは自動接続するかユーティリティで手動接続するかの指定です。これは通常手動で良いでしょう。

上は接続情況を表示しています。Log471adcというデバイスが親です。

手動で接続する場合はユーティリティを起動して無線ルータに接続されているデバイスを接続します。ただこれだけなので難しい訳ではありません。誰も使っていない場合は「使用できます」と表示されますし、誰か使っていれば「使用中」となります。もし他の誰かが使っていたら、ユーティリティに添付されたメッセンジャーツールを使って、利用者にメッセージを送る事ができます。

上が占有前、下が占有後です。

こんな程度であれば家族で使う分には十分でしょう。今回はUSBメモリを使ってみましたが通常はプリンタを接続する形になるでしょう。下はちなみに無線ルータのデバイスサーバエンジン名です。

無線ルータではこんな形のファームで管理されています。

現在はプリンタも無線LAN対応になって余り使う機会が減っていますが、小容量のHDDなどを使うには適当な機能と言えます。

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