前回はデバイスの外観のみのレビューでしたが、今回は内部的な話に移ります。そもそも無線ルータと呼ばれる種類の製品はブロードバンドルータですから外部への接続はこの機器を必ず中継します。ですからルータには色んな機能が集約されます。NAT機能やDHCPサーバ機能、そしてメインのルーティング機能があります。さらに最近ではファイヤーウォールやポートフォワーディングといった機能も含まれるので結構負荷のかかる機器です。これにアクセスポイント機能も付くのですから多機能にも程があります。

それではまずは無線ルータからの設定です。この無線ルータも最近のネットワーク機器に違わず、ルータ内臓のWeb機能で設定します。Web接続するとなるとIPアドレスが既に設定されていないと接続できませんが、マニュアルにしたがっていけば問題ありません。まずは背面の「ルータ・AP切り替え」スイッチを「ルータ」に指定して電源を入れます。その後リセットボタンを10秒程度押して工場出荷状態に戻します。工場出荷状態になると無線ルータは「192.168.2.1/24」のIPアドレスに設定されます。そして内部のdhcpサーバが有効になります。dhcpサーバが割り振るネットワークアドレスは「192.168.2.0/24」です。

この状態でネットワーク設定をdhcpクライアントにしたPCを有線LANで無線ルータと接続します。するとPCは無線ルータ内臓のdhcpサーバからIPアドレスを付与されるので無線ルータのWeb画面にアクセスできるようになります。下がその設定画面です。なにやらセンスの無いWeb画面です。このLAN-WH300AN/DGRをリリースしているロジテック社は国内ベンダのBuffalo社やIOData社から見れば小さい会社なのでファームウェア開発にもお金が掛けられないのでしょう。しかしもう少しセンスある画面にして欲しい物です。結構こういうところはユーザが気にする点です。

今回はこんな感じで接続するのでWAN側構成が一般的な家庭とは違います。

後は普通に設定するのですが、この製品自体のファームウェアの完成度が良くなく不具合が結構報告されています。そういったドラブルを防ぐ為に一旦ファームウェアは最新化しておきます。ロジテック社から最新ファームウェアをダウンロードしてきてファームウェアアップデートします。ファームウェアをアップデートしたら再起動して設定を続けます。

今回は一般家庭を想定したホームネットワークを構築するので、自宅の既存ネットワークとは別な新ネットワークを作ります。またインターネット接続を実現する為にこのネットワーク同士を接続します。イメージは上のような形です。

自宅既存ネットワークは「192.168.0.0/24」というアドレスなので、その中で使われていない「192.168.0.210/24」というIPアドレスをLAN-WH300AN/DGRのWAN側インターフェースに割り振りします。この時のLAN-WH300AN/DGRの内部LANは「192.168.2.0/24」にします。このネットワークを使うのは工場出荷状態のアドレスと一致させる為です。この方が余り変更しなくて済みます。これで外部のインターネット接続も可能になります。ちなみに自宅ネットワーク「192.168.0.0/24」のデフォルトゲートウェイは「192.168.0.1/24」でDNSリレー機能も持っているのでDNSサーバも「192.168.0.1/24」になります。

最初にLAN-WH300AN/DGRのWAN設定を以下のようにします。一般家庭であればPPPoEの設定で外部プロバイダ(ISP)に接続するのでしょうが、LAN-WH300AN/DGRの上位には我が家の既存ネットワークがあるので、PPPoE設定はできません。単純にローカルルータの指定で行なうように「固定IP」設定を行います。WAN側インターフェースは「192.168.0.210/24」とします。ゲートウェイは「192.168.0.1/24」に設定します。これでWAN側設定は完了です。

WANはこういった設定にします。

今回のネットワーク構成では「固定IP」を選択しますが、ISP接続を直接するには「PPPoE」もしくは「DHCP」を利用します。下がその設定画面です。上部がPPPoE接続ですし、下部がDHCP接続です。ちなみにPPPoEは通常のPPPoEとUnnumberedとマルチセッションと3種類から選択できます。どれを選択するかはISPによって違うので、契約時の接続情報を見て決めます。一般的に電話事業者(NTTといったキャリア)を経由したISP接続だとPPPoE、ケーブルTVなんかだとDHCPが多いようです。

WANでは通常ISP接続で必要な3種類選択できるので困る事はないはずです。

これ以外にもWAN側でDNSの指定を行ないます。これは既存ネットワークでも使われているDNSサーバのアドレスです。実際のこのIPアドレスは我が家の大本のルータのアドレスです。大本のルータはISPからのDNS情報をリレーする機能があるので、このように大本ルータのIPアドレスを指定します。これはそのままLAN側で動作するDHCPサーバが各クライアントに配布するDNSにもなります。

基本ブロードバンドルータというのは「ISP」と「自宅」のネットワークを接続するだけの機能しか有さない為、ルーティング機能は持っていても意味がありません。そういう意味もあってこの機種ではスタティックルート情報は設定できません。常に自宅ネットワーク以外のあて先はWAN側(すなわちISP側)になるからです。通常はインターネット側という事になります。そして上は「デフォルトゲートウェイ」の設定です。先の固定IPでもゲートウェイの設定をしましたが、こちらはルータ自体のゲートウェイの設定です。WAN側で複数の経路(例えばPPPoEでISP接続とフレッツ内部ネットワークといった二種類のセッション)が発生しえる為にルータ自体のゲートウェイを設定できるようです。

PPPoEでISP接続のみであればこれは指定しなくても良いでしょう。そして下はNATの指定です。グレー表示になっていますが、先に述べたとおりブロードバンドルータはインターネットに接続する為の製品なので無条件にNAT利用です。高度な複数ネットワーク構成はできないという証明でしょう。

これで新ネットワークから既存ネットワークを経由してインターネット接続可能です。

また工場出荷状態のネットワークアドレスである「192.168.2.0/24」を今回の新ネットワークにするので、LAN側IPアドレスは「192.168.2.1/24」にします。念の為dhcpサーバの設定も確認しておきます。割り当て範囲は「192.168.2.100/24」から「192.168.2.200/24」にしておきます。「192.168.2.201/24」以降を空けてあるのは固定IPアドレスを指定しなくてはいけないデバイスがあった時に利用する為です。これで有線ネットワークに関する設定は完了です。この構成だとdhcpサーバはゲートウェイを自分自身「192.168.2.1/24」、DNSサーバを先に設定した「192.168.0.1/24」で配布します。

これで設定内容を保存して再起動します。この状態だと有線接続したPCは「192.168.2.100/24」というIPアドレスが割り振られて、インターネット接続ができるはずです。これはあたかも初めてインターネットに接続したブロードバンドルータと同じ挙動です。この時点でほぼネットワーク設定は完了です。

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