前回は商品の外観紹介でしたが今回は製品の仕様を確認して設定を行います。まず無線ルータですが他の製品でも見かけるように背面のディップスイッチにてルータ機能のオンとオフの選択ができます。ルータ機能をオフにするとアクセスポイント機能だけになるので単品のアクセスポイントと同じになります。狭い住宅事情の日本では「無線ルータ」内臓のAPだけで無線電波は賄えるのでコンシュマ系でAP機能のみという製品も見かけなくなりました。

特にこの製品の特徴として強調されるのは「中継機能」でしょう。普通中継機能というといわゆるユニバーサルリピータ機能を持った「リピータ」と呼ばれる製品を見かけます。しかしここでいう中継機能というのは無線ルータ同士が「WDS」というAP間通信の機能を利用して実質的に電波到達エリアを広げる機能を指します。バッファロー社ではこの機能を「エアステーション間通信」と呼んでいます。そして中継しあう無線ルータは全く同じ製品を2台必要としない点も特徴です。

例えばWZR-300HPを中継できる他モデルとして同社のWZR-HP-G301/G302シリーズやWHR-300HPといった製品があります。ですから買い換えて不要になったバッファロー製無線ルータを再利用できたりするので非常に便利な機能になっています。

他にこの製品の大きな特徴としては前回話した「デバイスサーバ」機能と「NAS」機能があります。こちらは後々紹介します。これとは別にUSB型のデータカードを使って外部接続が可能となっています。こちらも一時期流行った方法です。我が家にはそんな物がないので試す事ができませんがインターネット接続が物理的に2系統あるというのは心強い物です。

それではWZR-300HPの設定をして見ましょう。ここ最近は無線ルータの設定が多いので手馴れた物です。例によって中古で入手したので電源を入れてからリセット穴にボールペンを突っ込んで工場出荷状態にします。

工場出荷状態だと無線ルータは「192.168.11.1/24」になります。また内蔵dhcpサーバが有効になって「192.168.11.2/24」から64台分のIPアドレスを付与します。これであれば有線LANポートに設定用PCをdhcpクライアント設定にして接続したら、すぐに設定Web画面までアクセス可能です。今回も内部LANのネットワークアドレスは工場出荷状態のまま「192.168.11.0/24」とします。無線ルータのIPアドレスである「192.168.11.1」にWebブラウザでアクセスするとユーザIDとパスワードを求められるのでデフォルトのIDとパスワードを入力します。すると下の画面が表示されます。

既にデフォルトのSSIDが一個設定されています。これは11n/g/bに対応した2.4Ghz帯のSSIDになります。また工場出荷状態でWAN側の設定もしていないので未設定状態になっています。詳細はステータス画面で確認できます。

WAN回線はケーブルすら接続していないのでリンク自体が切断状態になっていますし、LAN側はデフォルトの「192.168.11.1/24」のIPアドレスが割り振られた状態です。またエアステーション間接続も「親機動作中」になっています。

まずは最初にWAN側設定です。例によって自宅の基幹ネットワーク（192.168.0.0/24）と接続させるので、使っていないIPアドレスである「192.168.0.211/24」を割り振ります。接続方式は固定IPアドレスです。ゲートウェイは基幹ネットワークの外部接続ルータである「192.168.0.1/24」です。内部のLAN側は特にデフォルトから変更せず、そのまま利用します。そしてNATが有効な事を確認してから保存して再起動します。

これで有線ネットワーク部分は完了です。WZR-300HPを介してインターネット接続が可能になっているはずです。実際の一般家庭では固定IP接続ではなくたいていはPPPoEでしょうが、そのWAN接続方法が違うだけです。

これ以外の設定も見てみましょう。先ほど説明した「AirStation間通信」の設定が上です。この場所は何度かお世話になるはずです。「親・子」設定や「中継」設定などはここで行なう形になります。実際のユーザはたいていAOSS機能を使って自動設定すると思いますが、その場合でもこの箇所が自動的に設定されます。

ルータと言えば他の機能も気になる所でしょうが、今の所はデフォルト設定で済ましてみます。今後逐次設定を見直していきます。

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